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夏コミ無配でした。カミーユとシンです。










 格納庫の隅、風通しの良い場所でタオルを顔の下半分にあて俯くことを強いられているカミーユは拗ねた顔をしていた。
「これ首の後ろにあてて。気持ち悪くないか?眩暈は?」
 小走りに戻ってきたシンが保冷剤をタオルで包みカミーユの返事を聞く前にうなじに押し当てる。布越しのじんわりした冷たさが気持ちいい。
「ちょっとのぼせただけだから、へいきだ」
ぬるりとした温かな液体はまだ止まっていない。もごもご口を動かせば真っ赤な双眸が不安げに細められた。
「どうせ昨日もデータ整理するとかしないとかで寝てないんだろ」
見えないようにタオルの下で口をへの字に曲げるが見通されているのか盛大なため息を吐かれる。
三時間は寝たと言っても通用しないか、もしくはクワトロ大尉に仕事を頼まれたと言い訳をするか。
「急ぎの仕事はないって、知ってるからな」
先手を打たれぐうの音も出ない。OZ預かりの身になった現在、確かに大急ぎでMSの整備をしなければならないわけではないし(そもそも専門の技官がいる)いつくるかわからない次元の王たちに備えることもない。
 つまり、カミーユの完全な不摂生なのだがそれを認めるのは癪だ。大体、子供ではないのだから少しくらい夜更かししたところで何だという。
「あんま心配させるなよ。降りてきたときびっくりしたんだからな!」
 体調管理も仕事のうち、と一つ年下の軍歴で言えば先輩にあたる友人がここぞとばかりに胸を張って叱るのを黙って見上げた。
 確かに、心配させたのだろう。Zから降りてすぐへたりこみ、片手で鼻血を押さえる姿は吐血しているようにも見えたかもしれない。
 駆け寄ってきたときの真っ青な顔を思い出して首をすくめた。
「…きをつける」
血はほとんど止まったが鼻声が治らない。
 安心したように笑ったシンが飲み物を取ってくると再び走っていく背中を見送ってタオルを外す。
 喉の奥が血の味で気持ち悪い、顔もおそらく血だらけで汚い事のなっているんだろうとげんなりした顔で再びタオルを押し当てた。
「濡れタオル持ってきたからこれで顔ふいて、今日はもう上がっていいってさ」
スポーツドリンクを持って帰ってきたシンが有無を言わせずカミーユの顏を拭きにかかる。勝平やワッ太の面倒でも見ている気分なんだろうか。
「自分でできるから良いって!ファみたいなことやめろよ!」
 子供相手にするようにしてしまった事に気付いたのかシンもばつが悪そうな顔をしてタオルを差し出してきた。拭いきれなかった細かい部分を自分で拭いて一息つく。
「購買でアイス買って帰ろうぜ、大尉たちにも差し入れしてさ」
 いたずらっ子のように笑うシンが差し出す手を取って立ち上がる。白い手は火照ったカミーユのものよりも随分冷たかった。






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